季節性情動障害(冬期性鬱病)


◎季節性感情障害とは? 


  秋から冬にかけてうつ状態になり、春から夏になると症状が軽快するような季節に関係して経過するうつ病を季節性感情障害といいます。
  うつ状態は多くの場合、10月から11月頃に始まります。うつ状態の程度は比較的軽度で、ゆううつ、悲哀感、意欲の低下、日中や夕方の眠気、睡眠時間の延長、過食、糖質・炭水化物に対する渇望、体重増加といったうつ病としては非定型的な身体症状を伴うことが多いようです。
  米国の調査によると季節性感情障害の8割以上が秋から冬にかけてうつ症状が現れ、春から夏にかけて軽躁状態を示すタイプであるといわれています。原因として遺伝負因が指摘されています。42%は思春期までに発症することから、冬期に学業成績の低下が起こったり友人関係における適応の障害が起こり得ることに注意する必要があります。また、20歳代後半以降の女性に多く、過食、炭水化物の過剰摂取が多いことが示されています。
  治療としては高照度光療法といって通常2500ルクスの程度の白色蛍光管を数本組み合わせて、光源から約1mのところで1日朝2時間以上、1週間以上にわたって連日照射する方法が効果的です。患者の中にはうつ症状が現れてから日照時間の長い温暖な地域へ旅行をすることにより症状が軽くなったという経験をもつこともあります。光療法は翌日に効果を認めるほど速効性はないですが、薬物療法よりは早く効果が現れ、薬物のような副作用はないといわれています。メラトニンというホルモン分泌の日内変動の異常がうつ状態や睡眠・覚醒リズム障害、深部体温上昇と関係があるといわれています。季節性感情障害の患者ではメラトニン分泌のタイミングが遅れていることが多く、これがうつ状態を引き起こすのではないかと推測されています。早朝における高照度光療法によりメラトニン分泌のタイミングが早まり生体リズムが矯正されうつ症状が改善すると考えられています。また、メラトニンそのものは日本では治療薬としては一般に使用されていませんが、夕刻あるいは就寝前に数日間服用することによる有効性が報告されています。欧米ではメラトニンが時差ぼけや睡眠障害の治療や長寿の健康食品として使用されています。
  また、季節性感情障害の場合、過眠や日中の眠気といった睡眠・覚醒のリズムの障害が多いようですが、これらにビタミンB12が効果があることが知られています。ビタミンB12はアセチルコリン、ノルアドレナリン、セロトニンといった神経伝達物質の生合成を促進するといわれます。これが睡眠・覚醒リズム障害や感情障害に効果をもたらしていると推測されます。
  種々の抗うつ薬の使用が試みられていますがこれといった効果は認められません。今のところ、アルプラゾラムという抗不安薬が有効であるという報告があります。
季節性感情障害は症状が比較的軽いこと、自然寛解があることなどから、精神神経科を受診するに至らないことも多いと思われます。光療法の効果が劇的で副作用が認められないことから、早期に専門医に相談されることをお勧めします。




◎病相頻発型感情障害(ラピッドサイクラー)とは?


  炭酸リチウムは躁うつ病の治療によく使用される薬ですが、それが作用しにくく、年に少なくとも、4回かそれ以上の抑うつ、躁状態または軽い躁状態の病相を頻発する患者群をラピッドサイクラーといいます。これは再発の周期が極端に短く軽快する期間がほとんどない程度に再発を繰り返します。
  ラピッドサイクラーは躁うつ病患者の10〜20%に認められ、その約8割は女性であり、中年期に多くみられます。発症の原因は抗うつ薬の使用により躁うつ病の病相の周期が短縮するためであるといわれています。また、不規則な抗うつ薬の服薬や頻回に処方変更をすることが原因となることもあります。さらに、抗うつ薬の長期投与後の急激な中断が発症の誘因になることもいわれています。その他、甲状腺機能低下症が関与すると考えられています。炭酸リチウムを投与している患者の50%に甲状腺機能低下症がみられることから、炭酸リチウムの使用がラピッドサイクラーの発症と関係している可能性が指摘されています。そのような症例は、甲状腺ホルモンの投与が有効であることがわかっております。その他、出産後や閉経期の女性に多いことからエストロゲンなどの性ホルモンとの関連も指摘されています。エストロゲンは感情の変化を引き起こすといわれています。
  本症の病前性格は陽気で活動的な一面と物静かで陰気で消極的な特徴の両面を示す循環気質のことが多いといわれています。
  治療としては、抗うつ薬の投与が原因と思われる場合は抗うつ薬を一旦中止する必要があります。そして、本来、炭酸リチウムに反応しにくいとはいえ、まず炭酸リチウムを基本に投与します。うつ状態であれば炭酸リチウムとカルバマゼピン(抗てんかん薬)が有効と思われます。また、躁状態の時は炭酸リチウムと抗精神病薬などが使用されます。比較的、新しい世代の抗うつ薬である四環系抗うつ薬では本障害の発現がみられていないため、四環系抗うつ薬の有効性も指摘されています。その他に、バルプロン酸ナトリウムやクロナゼパムといった抗てんかん薬が効果的です。これらの抗てんかん薬はノルアドレナリンやセロトニンなどの神経伝達を是正化し、感情や意欲面を改善すると考えられています。これらの治療薬は単独投与あるいは炭酸リチウムとの併用により効果があるといわれています。
  ラピッドサイクラーは通常の抗うつ薬が効きにくいことやなおりにくいことから漫然とした薬の投与にならないよう系統立った治療方針を立てることが重要であると思われます。治療者との関係がマンネリ化しないよう、また、患者の不安やあせりをやわらげるためにもカウンセリングや精神療法的アプローチが必要であると考えられます。


  

    ◎難治性うつ病について


  うつ病の治療には抗うつ薬が有効で、予後のよい病気であるという認識があります。しかし、通常の抗うつ薬で症状が改善されにくく、うつ状態が長く続く場合や、うつ病相が頻発してコントロールできない場合を難治性うつ病といいます。前者は遷延性うつ病、治療抵抗性うつ病あるいは慢性うつ病などを意味します。後者には躁うつ病においてみられる病相頻発型感情障害(ラピッドサイクラー)が含まれます。難治性うつ病と称した場合、前者を意味することが多いようです。うつ病者の10〜25%は難治であるとみられています。
難治性の要因としては遺伝的要因、環境的要因、病前性格、神経受容体や神経伝達物質、薬物の代謝などが影響している可能性があります。
  難治性うつ病に対する治療方法はうつ病が遷延する要因を十分に検討した上で治療法を選択していく必要があります。
難治性うつ病患者には通常の投与量で十分な効果が得られず治療が遷延している場合には薬物の増量が必要となります。また、投与期間も少なくとも4ケ月程度は必要となってきます。それでも効果が認められない場合は、他の抗うつ薬に変更する必要があります。また、点滴療法は、内服薬より血中濃度が得られ、速効性が期待できます。通常は1〜2回/日、1〜2週間程度続けることにより効果がみられることがあります。内服薬に点滴療法を併用することによりさらに効果が増すと思われます。抗うつ薬に炭酸リチウムあるいは甲状腺剤を併用することもあります。また、抗精神病薬を併用すると抗うつ薬の血中濃度を上昇させ抗うつ効果を増強させることが知られています。抗うつ薬により効果が十分に得られない症例においては、抗うつ薬を徐々に少なくしていき中止後に抗精神病薬を1〜2週間投与し、引き続いて抗うつ薬を再投与する治療法でかなりの治療効果が得られることがあります。
  中枢刺激薬であるメチルフェニデートは抗うつ薬の血中濃度を上昇させ抗うつ効果を増強させ、無気力や疲労感の強いうつ病に対して効果が期待できます。しかし、精神依存性が高く、強い不安や焦燥を惹起するといった副作用があるため十分な注意が必要です。メチルフェニデートは覚醒アミンの一種であり、不眠の原因となるため午前中のみの投与が原則です。
  性ホルモンのエストロゲンには抗うつ作用があることが知られており、主に更年期障害や更年期のうつ病に対して抗うつ薬との併用で効果があることがわかっています。
  高照度光療法は季節性感情障害、睡眠・覚醒リズム障害や難治性うつ病に有効とされています。通常、2500ルクス程度の白色光を早朝に2時間位、1〜2週間にわたり連日照射することにより副作用もなく奏功するといわれています。
うつ病には抗うつ薬が不可欠ですがそれに並行して精神療法やカウンセリングを受けることが重要です。たとえば家族の者の病気への理解不足に対する教育、家庭内の不和や葛藤などの調整や本人の日常生活についての助言などが必要になってきます。また、認知療法といってうつ病患者特有の否定的な考え、感情や行動についての悪循環を断ち切り、悲観的な考えを修正することを目的とし、治療者と患者が協力して治療を進めていく方法があります。難治例の場合、それまでのとどこおった治療関係から脱けだすためにも、ただ漫然とした薬物治療を受けるだけの関係だけではなく、難治の要因を多角的に検討していき、できるかぎり系統だった治療方針をたてていくことが大切です。

-----

メルクマニュアル家庭版, はじめに 101 章 うつ病と躁病  「季節性気分障害/季節性情動障害/季節性感情障害」良いカウンセラー  季節性感情障害とVOSTOK-東-  
季節性感情障害(季節性うつ病)とは 季節性感情障害(SAD)  【季節性感情障害】  体重増加を伴ううつ病  ブライトライト・セラピー参考文献  木の芽どき  
5月病などでウツになった人には、光療法 季節性気分障害  特殊なうつ病 ◎季節性感情障害とは?  臨床時間生物学研究会の足跡(rekisi2.html)  マイナスイオン    
メンタルヘルス相談の年間データの分析  光療法参考事例のページ  星和書店/精神科治療学/第05巻03号  冬季うつ病  
躁うつ病  「うつ病」と睡眠  双極性障害の治療スタンダード  躁うつ病と闘う  Blue?: 季節性感情障害についてのメモ  
周期的に対人恐怖症を呈する営業マン  精神医学症候群  冬期うつ病  季節性うつ病、今日この頃  体重増加を伴ううつ病  

SEOアクセスアップ相互リンク  
相互リンクSEOでアクセスアップ
SEO対策相互リンク
SEO対策
SEOリンクシステム
SEO対策アクセスアップリンク
SEO対策型ディレクトリ検索エンジン・SEOサポート
相互リンク!サーフ SEO対策
相互リンクPRO
相互リンクでアクセスアップ!
相互リンク募集中
SEO 対策とアクセスアップに相互リンクPower
相互リンクactionでSEO 対策とアクセスアップ

-----

季節性情動障害01 季節性情動障害02 季節性情動障害03 季節性情動障害04 季節性情動障害05

季節性情動障害06 季節性情動障害07 季節性情動障害08 季節性情動障害09 季節性情動障害10

冬期性鬱病01 冬期性鬱病02 冬期性鬱病03 冬期性鬱病04 冬期性鬱病05

冬期性鬱病06 冬期性鬱病07 冬期性鬱病08 冬期性鬱病09 冬期性鬱病10